ブルーラジカルについて
Luke株式会社と東北大学の研究講座が共同で開発した新しい歯周病治療器「ブルーラジカル P-01」が世界で初めて医療機器としての承認を受けました。
この治療器は高効率なラジカル殺菌技術を搭載し、患者行動変容アプリ「ペリミル」と連携して歯周病に新たなアプローチを提案します。
歯周病と全身健康の関連についての研究から、歯周病治療の必要性が明らかとなり、新しい治療アプローチが開発されました。
歯周病治療器「ブルーラジカル P-01」は口内細菌を99.99%殺菌する技術を使用し、患者用アプリ「ペリミル」は患者の行動変容を促すことを目的としています。
臨床試験を経て、本治療器は従来の治療法よりも効果的であることが実証され、歯周病治療機器として世界で初めての承認を受けました。
ブルーラジカル P-01開発者東北大学教授菅野太郎先生(左)と、ららデンタルクリニック院長(右)
歯周病とは
歯周病は、歯周ポケット内に蓄積したデンタルプラーク(歯垢)の中の細菌によって引き起こされる歯周組織の炎症性疾患・感染症です。
ギネスブックに「全世界で最も蔓延している病気」として2001年に認定されているように、歯周病は多くの人が罹患する可能性のある身近な疾患ですが、近年の研究により、歯周病と心血管疾患、糖尿病、さらにはアルツハイマー病などの慢性疾患との間に有意な関連が示されています。これらの疾患は慢性的な炎症反応に起因することが多く、歯周病菌が血流を介して全身の炎症状態を悪化させる一因となっていることが明らかにされています。
このように歯周病への対応は歯科から始まる健康社会を実現するうえで大きな課題となっています。
なぜ歯周病が治らない人が多いの?
では何故68,500件(※1)を超える歯科医院インフラがあるにもかかわらず、わが国では歯周病罹患者がこれほどまでに多いのでしょうか?
その答えの一つとして、「歯周病は患者が “歯に興味がなくなること(ネグレクト)” から始まり、今の歯科医院での治療や定期的なメインテナンスのみでは、この源流に強くアプローチする手段に限界がある」のではないかと考えます。
つまり、歯周病をコントロールするために下記2つを併走させる新しいアプローチが必要と考えています。
※1:厚生労働省 医療施設調査より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/19/dl/02sisetu01.pdf
- 歯へのアプローチ:歯および歯周ポケット内の徹底的な治療とプラークコントロール
- 人へのアプローチ:歯に“興味がない”から“興味を持ち続ける”という患者の行動変容
ブルーラジカル P-01の治療効果
従来の歯周病治療では治療をおこなっても細菌の取り残しが発生することがあり、重度の歯周病では抜歯になることも多くありました。
ブルーラジカル P-01は3%過酸化水素水と405nmブルーレイ照射による 「ラジカル殺菌」 という技術が用いられ、ラジカル殺菌は短時間で歯垢内部の殺菌に成功した世界初の技術です。
歯周ポケットに超音波の振動とラジカル殺菌をおこなうことで細菌を99.99%殺菌することができ、重度の歯周病においても歯を残す可能性を高めることができる新たな治療器です。
ラジカル殺菌のメカニズム
過酸化水素に身体に安全な光(ブルーレイ)を当てることで過酸化水素は活性酸素(ヒドロキシラジカル)になり、その強い酸化力で殺菌します。
臨床試験の結果
東北大学では、初期の研究段階から厚生労働省と緊密に連携してすすめてきました。
重度の歯周病においても従来の治療方法よりも歯周病菌を減少させて歯周ポケットを浅くするする効果に優れることが実証され、世界で初めて「歯周病に有効」と効果をうたうことができる医療機器として厚生労働省から承認されました。
当院のブルーラジカル治療の流れ
まず歯周基本治療を行います。その後改善の見られない方にブルーラジカル治療のご提案をします。
他院様で歯周基本治療をお受けになっていても、1回目の歯周検査で歯石の付着や磨きの状態、炎症状態により歯周基本治療をまず行います。
1
初診・検査(保険治療)
口腔状態を確認するために検査、資料収集を行います。
- 問診
- 口腔内診査
- 歯周病検査
- 口腔内写真、レントゲン撮影
2
診断と治療計画の説明(保険治療)
検査結果をもとに、歯周病の進行状況を説明し、治療計画を相談の上決定します。
3
歯周基本治療(保険治療)
①全体的なクリーニング(スケーリングSC)、歯磨き指導(TBI)
②2回目の歯周検査
- 検査結果により改善の見られない部位は、歯周ポケット内の清掃をしていきます。
- 治療対象部位の決定をします。
③スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
- いわゆる麻酔下でのポケット内清掃を行います。(無麻酔の場合あり)
- 治療対象部位は最大6ブロックに分けてSRPを行い、本数に応じた回数となります。
④3回目の歯周検査
改善の見られない部位に対して、
- 再度SRPを行うか
- ブルーラジカルで治療するか
- 歯周外科処置を行うか
- 咬合管理が必要か
咬合による影響が関与していれば咬合力に対するアプローチをご提案します
(歯周治療との併用が必要なことがある)
- 抜歯が必要か
をご相談の上、決定します。
この段階でブルーラジカル治療をご希望された場合に、ブルーラジカル適用の歯を決定します。
- ご自身で適切に歯磨きができているか最終チェックし、ブルーラジカルでの治療をご案内します。
- ブルーラジカル治療は1回に4歯まで施術可能です。治療対象歯数により回数が決まります。
- ブルーラジカル治療の治療経過を適切に把握するためには、ペリミル(アプリ)でのモニタリングが必要です。(無料)
- ペリミルのご使用方法をご案内いたします。
4
ブルーラジカル治療《 自由診療 》
- 【1歯単位の治療費用】:1歯 11,500円(税込)
- 治療部位に局所麻酔を行い、ブルーラジカル治療をします。
- 治療予定の歯すべての処置が終了したら、メンテナンスに移ります。
- 施術時間は1歯約5分間です。
- 麻酔が効いているため術後は麻酔が切れるまでの2〜3時間は食事はしないでください。
5
メンテナンスと検査(保険治療)
- 歯周検査をして改善の確認をします。
- 施術後1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後の状況をみます。
- さらに治療が必要な方には、再度ブルーラジカル治療や他の治療のご提案をします。
- 改善していれば1〜6ヶ月の定期的な検査をしていきます。
ブルーラジカル治療の治療時間と回数
※1回の治療本数は4歯まで
※歯周検査結果により本数が決まります
日本歯周病学会会員(院長下川博之)
歯周基本治療で歯周病が治らない場合には歯周外科治療を行うことがあります。
ららデンタルクリニックの歯周外科治療において、自由診療では、エムドゲイン治療や、CGF/AFG自家血小板含有フィブリンゲルやフィブリノーゲンを併用した歯周再生治療をご提供しています。
保険診療では、GTR法、リグロスによる治療を行っています。
症例に合わせた適応法をご提案いたします。
日本糖尿病協会登録歯科医(院長下川博之)
歯周病は糖尿病の6番目の合併症と言われています。
また歯周病の治療・管理により血糖コントロールが改善されたという報告もあり、両者の関係が密接であることがわかっています。
糖尿病の合併症は、腎症、網膜症、神経障害、大血管症、細血管症、歯周病です。
日本糖尿病協会登録歯科医は、糖尿病と歯周病の関連について研鑽を積み重ねた歯科医師です。
日本糖尿病協会登録医・療養指導医と連携し、糖尿病および歯周病の罹患者の疾病改善に努め、日本糖尿病協会の活動を支援しています。
糖尿病を治療中の方で、歯周病についてご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
歯周組織再生誘導技術の施設基準認可施設(ららデンタルクリニック)
厚生労働省が定める歯周組織再生療法であるGTR法の施設基準を取得し厚生労働省認可施設となっています。GTR法は健康保険が適応となります。
近年では世界初の歯周組織再生医薬品リグロスを用いた歯周組織再生療法が保険治療に導入され臨床成績も良く使用頻度は非常に高いです。
